Replaced the torsion spring for trunk
1. 現在のトランクリッドの状況
以前、トランクリッドをスポイラー付きのものからスポイラー無しのものに変更しました。
その際トーションスプリングは交換出来なかった為、トランクを開ける時の跳ね上げが強い状態になっていました。
間近に人がいる場合など危険が伴なう為、非常に気になっていました。
2. 3rdプレリュード用のトーションスプリング
サービスマニュアルに記載されているトーションスプリングですが、パーツリストにはトランクオープンスプリングとなっています。
新品は既に購入出来ませんが、下記にまとめました。
下の写真ですが、上の方がスポイラー無し用で下の方がスポイラー有り用です。
それぞれ2本あり右側と左側のようです。
オレンジ色と黄色のマーキングがありますが、どっちが右側でどっちが左側なのかよくわかりません。
同じ状態で並べてありますが、何故か形状に違いがあります。
これが後で問題になります。
下の写真は、上の方がスポイラー有り用で下の方がスポイラー無し用です。
スポイラー有り用はばね定数を大きくするためにバネ線径が太くなっています。
3. トーションスプリングの取り付け位置
下の写真はトランクを覗き込んだ状態で左、中央、右をそれぞれ撮影したものです。
1枚の写真に収まらないので動画も撮りました。
2本のスプリングは中央のクリップで止められ、やや右側で交差しています。
クリップは下の部分が嵌っているだけです。
下の押し込まれている部分を下に引けば外れます。
4. スプリングの取り外し
外した時の写真は撮れませんでした。
下の写真のようにスプリングのU字部をプライヤーで挟み、矢印の方向に捻って引っ張れば外れます。
スプリングは捻られた状態でフックに掛かっています。
プライヤーで外した瞬間に捻られていた力が解放されるので、スプリングがどのような動きをするのか(どこに飛んでいくのか)予測できません。
プライヤーで挟んで引っ張る方向の狙いを定めたらトランク内を覗き込まずに(顔を近づけずに手だけで)取り外した方がいいです。
ですが、思ったより簡単に外れました。
【注意】
スプリング取り外し後のトランクリッドは自重で落ちてきます。
勝手に閉まるため、指を挟む恐れがあり、非常に危険です。
この車のトランクリッドはかなり重く、開く場合はやっと持ち上げる感じです。
開けて作業する場合は必ず何かつっかえ棒のような支物が必要です。
さらに支物が外れた時の安全も確保しておく必要があります。
私は長い木の角材をトランクの上に載せておきました。
5. スプリングの取り付け
取り付けに関しては写真がありません。
早速入手したスポイラー無し用のトーションスプリングを取り付けようと思ったのですが、私の持っているプライヤーではU字部を掴んで90度くらい捻るのが精一杯です。
180度くらい捻らないとフックに掛かりません。
工具が小さすぎるのと、捻っている途中で挟んでいる力が弱まるとすぐにずれてしまい、危険でもあります。
基本的には自分で作業をしたいのですが、今回は潔く諦めてプロにお願いすることにしました。
仕事帰りにいつもお世話になっているショップさんに寄って見てもらったところ、専用工具がないとのこと。
板金屋さんもしくは整備工場なら普段から同じような作業をしているだろうとのアドバイスでした。
近所の整備工場まで行く途中にホンダカーズがあります。
ホンダカーズなら間違いなく取り付けられるだろうと思い、先に寄ってみました。
私の町には旧ベルノ系列のお店は無いのですが、このホンダカーズはこの辺りで唯一のクリオ系列です。
クリオはアコードの取り扱いがあったので、派生車種のプレリュードも可能ではないかとの期待もありました。
サービスの方がアコード用の古い専用工具を見つけてきてくれました。
出来るかどうか分からないけどやってみてくれるとのことでした。
30分ほど待ちましたが、残念ながら取り付けは無理との結果でした。
専用工具はプレリュードに合わなかったようです。
あとやはり危険が伴なうという理由もあったようです。
幸いいやな顔もせずに快く対応してくれたので丁寧にお礼を言ってきました。
かなり暗くなってきたのですが、まだ整備工場は明るかったので話だけでもと思い寄ってみました。
嬉しいことに社長曰く、取り付けはできるとのことでした。
現場はもう終業時間近くだったので翌日出直すことにしました。
翌日取り付けをしてみてもらったのですが、スプリングを取り付けてもトランクリッドが開かないとのことです。
並べて撮った写真で見比べると今まで装着されていたものとU字部の角度が違います。
入手したスポイラー無し用のスプリングが弱くなる方向に変形してしまっているようでした。
部品がダメとなれば仕方ありません。
今までの作業が無駄になってしまいますが、元の状態に戻してもらうことにしました。
その日はもう遅くなったので両方のスプリングを預けたまま、一旦帰宅しました。
ところが翌日の朝8:30頃に電話がありました。
スポイラー無し用のスプリングをダメにしてもいいかという確認です。
スポイラー無し用の変形したスプリングを一旦切断し、スポイラー有り用のスプリングと同じ位置(角度)に溶接でくっつけてみようかという提案でした。
もちろんうまく行くかどうか分からないという前提ですが、そのような提案をもらえるというのがかなり嬉しいです。
当然、お願いしました。
夕方15:30頃に準備OKの電話がきたので再度プレリュードを持ち込みました。
そして1時間もしないうちに作業完了の連絡が来ました。
1本はスポイラー有り用のスプリング、もう一本はスポイラー無し用のスプリングを溶接で角度を修正した物を取り付けたところ、トランクリッドがうまく開いたとのことでした。
こんな面倒臭い依頼なのに試行錯誤をしてくれた整備工場の社長と実際に作業してくださった方に心から感謝です。
というか私はかなり感動していました。
下の写真は溶接接合部の写真です。
手前のスプリングが太く、溶接してもらった方が細いのが見てわかります。
6. トランクリッドの動作確認
下の動画を見ていただければ分かるように非常に滑らかに開くようになりました。
7. 感想
プロへの依頼を判断したのが正解でした。
自分ではここまで出来ません。
場合によっては無理をせずにプロに相談することも大切と痛感しました。
ただ、溶接が簡単でないことは承知しているつもりです。
スプリングの作動原理を理解していないので、どの状態でスプリングに捻り応力が掛かるのか不明です。
既に取り付ける時に捻っているはずなので、中途半端な溶け込みなら既に破断していると思います。
かといってずっと捻り応力に十分な強度を持っているという保証もありません。
ちょっと大袈裟ですが、フェイルセーフを考えなくてはと思っています。
さて最後に作業工賃のことなんですが、社長に今回は溶接作業もあったので余計掛かってしまったと言われました。
時間もかかり、試行錯誤もしてもらい、何度もやり直しをしてもらったと思います。
自分でできない作業なので、それ相当の費用は覚悟していました。
ところが言われた金額は5千円でお釣りが来たのです。
実際の作業時間のみの請求なんですねきっと。
更に感動が増したのは言うまでもありません。(完)