プレリュード メンテナンス

EACVの清掃でハンチング改善

Stable idling after cleaning EACV(IACV)


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1. アイドリングのハンチング

以前の記事にアイドリングのハンチングが起きていることを書きました。

主に冬場のヒーター作動時に起きます。

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Twitterでサーモスタットやサーモスイッチの不具合で同様の症状が出たとのアドバイスをいただいていました。

それも確認してみたいのですが、冷却水を抜く前に先にEACVを確認してみようと思いました。

一度整備工場で清掃してもらったことがあると思うのですが、それから時間も経っているので再度やることにします。

これで治ってくれれば御の字なので。


2. EACVとその位置

EACVは "Electronic Air Control Valve" のことです。

海外のプレリュードの記事を見るとIACV "Idle Air Control Vale" と呼んでいました。

アイドリングを制御する電磁弁なのでどちらでもいいのだと思います。

部品番号は下記の通りです。

EACVの位置はエンジンルーム内のオレンジの四角で囲ったところです。

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写真1:EACVの位置


3. EACV 取り外し

冷却水のホースを外すので、エンジンは冷えた状態で作業した方が良いです。

EACVは2本のボルトで固定されており、カプラが刺さっています。

EACVの下部に冷却水が通るので、ホースが2本刺さっています。

EACVは見える位置のあるのですぐに外せそうに見えますが、周囲の部品を外さないと工具が取り回しづらかったり手が入りづらくて作業性が悪いです。

なるべく外せるものは外し、動かせるものは動かして作業スペースを確保します。


・PCVホースを外す。簡単に外せるので作業スペースの確保です。
・ハーネスホルダーのボルト2本を外す。ハーネスホルダーを手前に動かせるので、EACVの左側のボルトを回すための工具が差し込むスペースが作れます。
・EACVのカプラを外す。
・スロットルワイヤのステー固定ボルトを外す。右側のボルトだけを外してスロットルワイヤー手前にをずらし、冷却水のホースを外しやすいスペースを作ります。

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写真2:EACV拡大


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写真3:EACVの周囲


下の写真のように少しづつボルトを緩めていきます。

ボルトが外れたら左右の冷却水のホースを外します。

ホースのクランプを外してもEACVのノズルが錆びてうまく抜けない場合はホースの隙間を狙ってシリコンスプレーを吹いて少しづつねじると外れます。

プライバーとかホースリムーバーがあるといいかもしれません。

ホースが抜けた際に冷却水が流出すると思いますが、高い位置にあるのでホースを上向きにすればそれほど出てきません。

エンジンが冷えた状態での作業なら少し高めの位置に保持しておけば大丈夫です。

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写真4:EACVの取り外し


EACVを取り外した状態です。

右側のホースの先が写っています。

持っていたピンチコックで挟みましたが、固くて無理でした。

でも何もせずとも冷却水は大して流出することなくすぐに止まりました。

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写真5:EACV取り外し後

4. EACVの構造確認

取り外したEACVです。

冷却水が通る2本のノズルは錆び付いています。

八の字のパッキンは予備を持っていますが、損傷していないのでまだこのまま使えそうです。

通る空気の流れは右のフィルター(金網)側から入って左の穴から抜けます。

左側の穴の奥に見える白い部分の右側付近がバルブのシート部になりそうです。

電気的に作動しても空気の流路に汚れが付着したりシート部が損傷すれば空気流量を適正に制御できないことになり、所謂故障ということになります。

かといって清掃しすぎて白い部分が損傷してしまえばコイル側の故障にもつながります。

EACVは精密部品ですね。

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写真6:EACV清掃前
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EACVの構造(サービスマニュアル抜粋)


5. EACVの分解•清掃 & 取り付け

下部の冷却水が通る部分はネジ3本で外れます。

ノズル部は磨いてできる限り錆を除去しました。

フィルター(金網)は予備を持っているので壊してでも外そうと思いましたが、今付いているものが破損していないのでこのまま取り外さずに再使用することにしました。

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写真7:EACV分解


今回、クリーナーはワコーズのエンジンコンディショナーを使用しました。

キャブ用なので電子燃料噴射装置には使用できませんが、パーツの洗浄にはかなり強力と聞いたことがあるのでこれを選びました。

白い泡に混じって黒い汚れが出てきます。

もうそろそろ黒い汚れが出なくなったかなと思ってもまた時々黒い汚れが出てきたりします。

エンジンコンディショナーを半分くらい使うほどかなりの回数、清掃しました。

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写真8:EACV清掃中

自分が納得いくまでキレイにしたつもりです。

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写真9:EACV清掃後


6. EACV 取り付け

パッキンは優しく丁寧に洗って再度組み直し、カプラは接点復活剤を塗布しました。

冷却水のノズルは錆を落とし、シリコングリスを塗ってホースを繋ぎ直しました。

最後は固定ボルト2本を締め、カプラを繋ぎました。

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写真10:EACV取り付け


7. 清掃効果の確認

他の作業をしていたのですっかり暗くなってしまい、確認が遅くなりました。

この日の外気温は5℃くらいです。

暖気後のアイドリングが安定している状態で、オートエアコンをMax設定(32℃)で作動させました。

アイドリングの回転数が上昇しますが、安定しています。

その後ヒーターを切るとアイドリングは通常通りに下がります。

写真11:動作確認

EACVを清掃した結果、アイドリングのハンチングが改善しました。

この日以降は気温が上昇したのであまり参考になりませんが、それでも全くアイドリングのハンチングは発生していません。

クリーナーの選択が良かったこともありますが、根気良く汚れが出なくなるまで時間をかけて清掃したのが良かったんだと思います。 (完)


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たつきち

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