How to install an additional temp meter.
1. 自動車に後付けの水温計って必要?
最近、水温計が付いていない車って多くないですか?
水温計って針がほとんど動かないから無くても大丈夫そうに思うかもしれません。
でも水温に関係するトラブルって結構リスクが高いんです。
修理費が何十万円、それ以上にかかる場合があります。
あまり目立たない水温計ですが、実は危険を知らせてくれる頼もしい存在です。
今付いていない車には後から取り付けられますし、元々付いている車には追加で後付けができるんです。
2. 後付けの水温計と純正の水温計の違い
元々付いているのに後付け?と思われた方もいると思いますがそれには理由があります。
水温計は冷却水の水温の測定器なのに純正の水温計って目盛りがついていませんよね。
下がC(クール)、上がH(ホット)となっているだけで針はいつも真ん中あたりを指しています。
通常はあまり変動しないようになっています。
もしH付近まで上昇したり警告灯が点いたりした場合はすぐに対応が必要な状況です。
なのでトラブルが迫ってきている状況を把握しづらいとも言えます。
それに対して後付けの水温計はどうでしょうか。
まず、しっかり温度目盛りが付いています。
目盛りがあるということは測定した水温を数字で把握できるということです。
冷却系統の異常時に、それを急に知らされるより水温が上昇してきている様子を見ながら調子悪そうだなって思える方が気持ちの上でも安心できますね。
後付けのメリットはほぼそれに尽きるのですが、それ以外にも以下のような相乗効果があります。
・見た目がカッコいい。
・レーシーな気分になれる。
・運転へのこだわりが感じられる。
・夜間のイルミネーションとしてキレイ。
3. 水温計の後付けに必要な部品
用意する部品は下記の5点です。
・水温計
・水温センサー(水温計に付属)
・水温計の取付アダプター
・ホースバンド2個(取付アダプターに付属)
・アッパーホース(既存のものを使用すれば購入不要)
水温計は水温センサーが付属しているものを用意した方が安心です。
水温計の取付アダプターは取り付けるアッパーホースの内径に合わせたサイズのものを用意します。
アッパーホースは現在使用中のものを使うのなら新たに用意する必要はありません。
但しアッパーホースは切断しますので、純正部品の入手が難しい旧車の場合で社外品が入手可能な場合は貴重な純正部品を保管しておくことをお勧めします。
4. アッパーホースとアダプターの寸法について
水温計の取付アダプターは、取り付けるアッパーホースの内径に応じて幾つかのサイズが用意されています。
はじめにアッパーホースを用意しておき、内径(ID: Inner Diameter)を測定します。
取付アダプターのサイズは取り付けるアッパーホースの内径を指しているのでそれと合致しているものを選びます。
事前にWebカタログ等でアッパーホースの寸法をチェックできると便利です。
上の写真を例にしますと、DAYCO社の型番71396のアッパーホースの内径は1-3/16インチ(1.19インチ)となっています。
ミリに換算すると、 1.19(インチ) x 25.4 = 30.226(ミリ) となります。
ゴムは伸びるので小数点以下の0.226ミリはあまり気にせずおおまかに30ミリと考えます。
取付アダプターはメーカーによって多少ラインナップの違いはあると思いますが、例えば上の写真のオートゲージ社のものだと26mm 28mm 30mm 32mm 34mm 36mm 38mm 40mmのサイズが用意されています。
今回の場合、30mmを選べばOKです。
【今取り付いているアッパーホースを利用したいが、事前に適合する取付アダプターを選びたい場合】
使用中のアッパーホースの場合、口元が伸びてしまっていて正しい寸法が測りにくいです。
このような場合はアッパーホースの中央部分で外径を測り、肉厚はアッパーホースの口元にゲージを当てて大雑把な寸法を測定し、引き算(外径 - 肉厚x2)をすればおおよその寸法を確認できます。
参考にDAYCO社のWebカタログのリンクを載せておきます。
5. アッパーホースの取り外し
使用中のアッパーホースを使用する場合も新しいアッパーホースを使用する場合も一旦は車からアッパホースを外します。
車は十分冷えた状態で行います。
エンジンが温かい状態ですとホースを外した際に高温の冷却水が噴き出す場合がありますので注意が必要です。
ラジエーターから冷却水を全部抜き取ってから作業するのが正しいやり方ですが、実際は抜かずともやれてしまいます。(多少漏れますが)
下の写真は既存のアッパーホースを外す前に新しいアッパーホースを上に乗せて寸法を確認したものです。
ちょっと長めなので、後で長さ調整が必要になりそうです。
長いまま無理に取り付けると曲がりの部分が潰れてしまい、冷却水が流れにくくなる恐れがあります。
アッパーホースを取り外す前にエアーインテークのパイプが邪魔になるので取り外します。
アッパーホースを抜くと内部に残っている冷却水が多少漏れますので周囲をタオルなどで養生します。
養生をしたらラジエーター側とサーモスタットカバー側のホースクリップを緩めて下の写真のように内側に逃がします。
無理な力を掛けないように少し捻りながらアッパーホースを外します。
下の写真のように多少冷却水が漏れます。
下の写真はアッパーホースを取り外した後、新しいアッパーホースを仮に嵌めてみたところです。
若干ですが管径が細くなってしまうので、このような場合は最後に現物合わせをしながら長さを詰めていきます。
6. アッパーホースの切断
アッパーホースを切断してその間にアダプターを挟みます。
挟む場所はアッパーホースの直線部分にします。
アッパーホースが黒いので鉛筆でけがきが出来ません。
細いマスキングテープで切断しようとする場所に目印を付けました。
カッターで切断します。
切断後に仮にアダプターを挟みました。
今回は社外品の相当品を使用しています。
純正品と比べると多少形状が違います。
アダプターを仮付けした状態で車に取り付け、長さを合わせていきます。
今回は約10mmほどカットしたところでアッパーホースのカーブに無理がなく綺麗な形状になりました。
長さが決まったので車体から外します。
7. アダプターに水温センサーの取り付け
水温計に付属している水温センサーを取り出します。
水温センサーをアダプターに取り付けます。
アダプターのねじサイズはNPT 1/8です。
水温センサーのねじサイズはPT 1/8です。
NPTはアメリカ管用テーパーねじ、PTは日本の旧JIS規格の管用テーパーねじです。
それぞれ規格が違うため、互換性はありません。
この組み合わせだとねじ込むことは出来ますが、気密性を保つことは難しいです。
そこで必ずシールテープを巻いてからねじ込むようにします。
シールテープは巻く方向を間違えないように気をつけます。
アダプターにねじ込む時にシールテープが巻かれてねじ込まれるようにします。
剥がれる方向に巻かれていないか注意です。
ねじ込み完了しました。
先ほど切断したアッパーホースにホースバンドを通した後、アダプターを取り付けます。
車体の取り付け箇所に合わせながら位置を決めてホースバンドを締めます。
位置は水温センサーが下になるように調整します。
水温センサーの位置を下に設置することで、サーモスタットが開いて冷却水がアッパーホースに流れ込んだ時にいち早く水温をキャッチできます。
7. 車体へ取り付け
ホースクリップをアッパーホースの両端から差し込んだ後、ラジエーターとサーモスタットカバーに取り付けます。
ホースクリップを固定して取り付け完了です。
8. 配線と水温計の車内設置
水温センサーから延びている配線はグロメット等を介して車内へ引き込みます。
エンジンルーム内を迂回していくのでコルゲートチューブで保護した方が良いです。
水温計の具体的な取り付け方法は車種によって違うので省略します。
配線はエンジンルームから引き込んだ水温センサーのほか、ACC電源、イルミ電源、アースを水温計に接続します。
ACC電源とアースはヒューズボックスから取れます。
イルミ電源はヒューズボックスから取れる車種もありますが、オーディオの裏付近が取りやすいです。
できるだけ細かいところまで説明したので長くなってしましましたが最後まで見ていただきありがとうございました。
最後になりますが、水温計の取り付け位置や配線にこだわるとエンジンルームの作業より車内の作業の方が時間が掛かるかもしれません。
でも見た目も大切なので取付位置にはこだわりたいものです。
私はいかにも「付けてるぞ!」って感じが苦手なほうなので、自分の車には目立たないところにさりげなく取り付けています。
でも夜になるとサイドウィンドに映り込んでなかなかキレイでかっこいいんです。
冷却水温を細かく把握できるうえに車内をおしゃれに彩る後付けの水温計、DIYで取り付けてみませんか?